オーディエンスターゲティングを成功させるために
japan.internet.com | Nov 30th -0001前回ではオーディエンスターゲティングの定義や評価指標の提言をさせていただきました。今回は実際にオーディエンスターゲティングを成功させるために必要な要件を整理してみたいと思っています。
1. オーディエンスターゲティングを成功させるために
オーディエンスターゲティングが新しい手法として紹介される際、よく「枠」から「人」へのシフトという表現をされます。でも「人」をターゲティングしても「枠」がなければ広告にとって最も大切な「届ける」ということができません。そのため「枠」から「人」へのシフトという表現は正しくないと感じています。「枠」と「人」に対して、それぞれの「質(Quality)」と「量(Quantity)」そしてプラスアルファとして「技術(Technology)」が重要なファクターになってくると私は考えています。
整理をすると、以下の3つのファクターが肝要です。1.「枠」と「人」の規模(双方のリーチ率)、2.「枠」と「データ」のクオリティ、3.データセグメント技術とリアルタイム配信。
1.のデータと枠のリーチ率については、双方のUU数が大きいほど配信できる対象ユーザーの重なりが大きく配信量が増える反面、どちらかでも数が足りなければ、配信対象として重なる部分が減り、配信規模が確保できません。配信できない広告は致命的です。そう考えるとオーディエンスターゲティングを考える際に最初に考えるのは規模の観点でしょう。
2.については、「ターゲット」を的確に抽出しても、配信する「枠」が、広告に適したレベルでなければ、適切な「人」に対してむしろ逆に悪い印象を与えてしまうということが考えられます。ターゲットした「人」が見ている「枠」である以上、どこで配信しても構わないという考えも市場の中にはありますが、企業名を明示し告知をする以上、ブランド管理の観点からもメディアの質のレベルは非常に重要なポイントになるでしょう。
3.については、ターゲティングをより精度を上げて配信するために必要不可欠なものであり、アドネットワークであれ、アドエクスチェンジであれ、このような技術を持った事業者が配信を行う必要性が必須といえます。
2.米国事情から考える今後の日本の市場
下記の表にもある通り、米国では非常に大きく成長しているオーディエンスターゲティング市場では「データ」を取り扱うための市場が存在しています。そこには沢山の事業者が「データ提供」、「データ取引の場の提供」、「ターゲティングデータの作成」「データの分析」「データマネージメントプラットフォームの提供」、「タグの管理」、「ブランドを守るための配信先管理」、「複数タグの管理システムの提供」、「配信結果の管理」といったさまざまな役割を担いサービスを提供しています。日本でも早晩同じような市場が形成されていくことになるでしょう。
その中で「媒体社」、「広告主」「広告代理店」といった既存のプレイヤーが考えなければいけないのは、これらの新しい分野でのビジネスの拡大が自分達にどんな影響を与えるかだと思います。
3. そして今後の課題
米国ではリアルタイムに配信を行う「場」も大きく、様々な媒体がビデオやリッチメディアを始めとする様々な広告フォーマットを流通させています。媒体社にとっては、マネタイズの場が増える反面、その管理には非常な難しさが出てきています。たとえばリアルタイムで入札されインプレッションの価格が決まる市場原則では、リターゲティングやオーディエンス配信が可能な一部のインプレッションは価格が高騰し高く売れますが、それは「上澄み」の一部であり、それ以外のインプレッションは売れ残るリスクが大きくなってきます。
一方で、広告主にとっても、効果の高いターゲティングではあっても価格が適正なものでなければ ROI を始め目標を達成することが難しくなります。そう考えると、既存のプレイヤーの皆さんはトータルで媒体・広告主双方と目的を共有しリスクを軽減できる配信パートナーを用いることが肝要になってくるといえそうです。今後、日本でも市場が大きくなるにつれ米国のように様々なプレイヤーが市場参入をしてくると想定されます。それまでに、適切な市場成熟と皆さんの理解を深めることが必要になってくるでしょう。
そして次回以降は、オーディエンスターゲティングの配信が米国ではどのように行われているか、実際の事例などを交えながら話を進めていきたいと思っています。
記事提供:アドバタイジングドットコム・ジャパン 事業開発部部長 竹谷直彦
Original Page: http://japan.internet.com/wmnews/20120316/1.html
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