2012年8月11日土曜日

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独断と偏見で考えた、すばらしいビジネスモデル「10のチェックリスト」 【連載:村上福之⑤】

engineer.typemag.jp | Nov 30th -0001

社長業をやっていると、たまに、「こんなビジネスやサービスを考えたのですが、いかがですか?」というご相談をお受けすることがあります。ありがたいことです。

ただ、僕はお金儲けに対する考え方が少し偏っているので、下記のような基準で見ています。よかったら読んでみてください。

まぁ、下記の項目を全部満たす必要はないのですが。いくつかを強烈に満たしていれば良いと思っています。

【ビジネスモデル10のチェックリスト】
(1)初期投資が安い
(2)過剰な在庫を抱えなくてよい
(3)必要な人員が少なく、売上に比例して人を増やさなくていい
(4)何らかの参入障壁がある
(5)同じことを毎日やっていればいいし、作業がマニュアル化できる
(6)月間売上[正社員数×百万円]を短期で到達できるシナリオがある
(7)定期収入がある(できれば月額課金)
(8)顧客のターゲットがたくさんいる
(9)データ量が少なく、サーバにやさしい
(10)お客さんから見て、課金の障壁が低い


(1) 初期投資が安い

個人的には初期投資は安い方が良いです。最近は、Webサービスなどは、AWSなどクラウドのおかげで初期投資が少なくなってきました。最近のソーシャルゲームは、大規模化してしまい、マジメに作ると、デザインと運用費用と広告費で、初期投資がしんどいかもしれません。


(2) 過剰な在庫を抱えなくていい

一概に過剰な在庫を抱えなくていいビジネスの方が良いと思います。アイテム課金、デジタルコンテンツ、サービス課金などのように、在庫がないと楽です。ただ、デジタルコンテンツなどは客単価が安く、ボリュームを稼がないといけないので、諸刃の剣ですね。

最近、デジコンやWeb上のサービスばかりなので、つまんないといえばつまんないですけど、在庫をあまり抱えないか、まったく抱えないモデルは大事だと思ってます。


(3) 必要な人員が少なく、売上に比例して人を増やさなくていい

コンサルティングや受託請負などは、単価は高いのですが、最大売上が「雇った人数」しか儲かりません。少人数の時は良いのですが、ある程度の人数が増えるとしんどいように思います。

「受託会社を3人くらいで始めて、すっごい儲かったので、10人くらいに増やしたら赤字になった」というのはよくあるストーリーです。本当に儲かるものは、人員に比例せずに、お金が増えていくモデルなんじゃないかと思います。商社や金融系のお給料が高いのは、そういうところですね。


(4) なんらかの参入障壁がある

参入障壁があることは大事です。例えばモバイルコンテンツビジネスで、過去を含めて儲かる順に考えると、参入障壁が高いものほど良いように思います。要するに、誰かが後で手を出しにくいモデルであることが大事だと思ってます。

例えば、過去のモバイルコンテンツで審査が厳しい順に並べると、僕の偏見だと以下の順番になります。

公式コンテンツ>モバイルソシャゲ>iPhoneアプリ>androidアプリ

(新規のガラケー公式コンテンツは、もう未来はないですが、過去10年、多くのIPOを生み出したのは事実です)

見れば分かるように、審査が厳しい方がビジネスが回りやすかったのは事実です。結局は参入障壁や審査がある方が良かったりします。もっと言うと、保険や金融や通信や放送は、免許制が多いですね。こういった業務も参入障壁があるわけで、入るまでは難しいのですが、競合も少ないので良かったりします。

(次ページに続く)

(5) 同じことを毎日やっていればいいし、作業がマニュアル化できる

コンサルティングや受託開発などは、規模が増えても業務内容の細部はあまりマニュアル化できません。

マニュアル化できないということは、コアなスタッフがやめてしまったら、その事業は大きな影響を受けます。ですから、マニュアル化できた方が楽です。

地方のテレアポ会社の社長でヒマそうな小金持ちが多いのは、これが理由です。

ただ、業務のすべてがマニュアル化できるほど、ショボいものだと、競合が出やすいですね。


(6) 月間売上[正社員数×百万円]を短期で到達できる

大事なキーワードです。月間売上[正社員×百万円]はトリガーです。零細ベンチャーなら[正社員×60万円]でも良いです。

ビジネスモデルを考えていただいた時に、質問するのですが、「そのモデルで『月額100万円×正社員』にするにはどうしたらいいですか?」という質問をします。その状況を想像できるかどうかが大事だと思ってます。


(7) 定期収入がある。できれば月額課金

月額課金は幸せです。月額で入ってくるということは、事業の収入も読みやすいので、事業計画も立てやすく、銀行にもVCにもやさしいです。

もちろん税金対策にもやさしいです。受託業務などで、年度末に大型の売上が入って、税金で持っていかれるという悲劇はつらいですよね。


(8) 顧客ターゲットが多いか、ターゲットが少ないけど単価が高いか

昔、勝手サイト用ガラケーコミックのソフトウエアを作ったのですが、あまりにニーズがなくて売れませんでした。もちろん勝手サイトでケータイコミックを売る会社はあったのですが、あまりにニッチで意味がなかったように思います。

そういう失敗から、「顧客のターゲットがたくさんいるか、ターゲットが少ないけど単価が高いのどちらか」に徹しないといけないな、と思いました。


(9) 安価に顧客に広告や営業など、リーチさせる方法がある

良いモノを作るのはいいのですが、お客さまに届ける方法を確保するのも大事です。

僕が起業したころは、「作る7:認知3」くらいと思っていたのですが、今は肌感覚的に、スタート時は「作る5:認知5」くらいなんじゃないかと思ってます。この辺りのノウハウは非常に大事です。

メディアを作ってからモノを売るくらいの根性の人もいます。とりあえず、ビッグワードでキーワード広告とかやると死にます。とりあえず、テレビCMとかやっても死にます。ピンポイントで顧客に認知させる方法を確立しないとダメです。

自社のサービスにお金を払っていただける方にどうリーチするかが、大事になってきたように思います。


(10) 転送データ量が少なく、サーバにやさしいこと

昔、動画配信のソフトウエアを開発していたのですが、あまりに売れませんでした。いろいろと有料動画配信の会社のお話を聞きに行ったのですが、どうもサーバ代が大変で儲からない。音楽配信や電子書籍(コミック)やゲームのアイテム課金の方が、よっぽど割が良いという話になりました。

動画データは数百メガバイトのデータを送っても客単価300~500円。着うたも数メガで同じような値段です。ケータイコミックなんて1メガありません。

ゲームのアイテムに関しては、アイテムのデータより、ほかのデータ量や接続数や滞在時間が長いので何とも言えませんが、動画データよりずっと安いと思います。

お客さんの得られる感動と、値段と、データ量はまったく関係ないのです。

1バイトあたりどれだけ儲かるのか、転送量と収益のバランスを考えるのは大事です。

ギャンブル?堅実?そのサービスで何を重視するか

見れば分かるように、こういったポイントを満たせば満たすほど、「儲かる確率は高くなるが、利益も面白みも減ってくるけど損はしない」となります。

まぁ、それはそれで良いんですけどね。堅実に儲かるサービスほど、リリース時にプレス出しても、メディアに載らないんですよね。

Original Page: http://engineer.typemag.jp/trend/2012/08/10.php

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