2012年2月7日火曜日

会社の闘い方に合ったワークプレイスを創造する[柳澤大輔] : PERSON : ISSUES : WORKSIGHT

会社の闘い方に合ったワークプレイスを創造する[柳澤大輔] : PERSON : ISSUES : WORKSIGHT

worksight.jp | Nov 30th -0001

ブレストは会議室で行うだけではありません。何人かでご飯を食べに行くと、自然とブレストが始まります。近所のレストランやカフェで、「よくカヤックの人たちがこちらで会議していますよ」と言われるんですが、別に会議をしたくてしているわけじゃなくて、自然とそうなっちゃう。そういうカルチャーなんです。鎌倉にはこういう人たちが働いている会社があまりないので、近所の人はカヤックの社員が来たってすぐに分かるみたいですよ(笑)。

毎回のブレストはきちんとデータを取っています。どういうブレストが週に何回行われた、誰が何回出た、どこのオフィスで行われた、などです。今月一番多くブレストに参加した人のランキングも出しています。だからどうということではないのですが、数字で「見える化」するだけで、より積極的にブレストに参加する人が増えるという効果があります。

僕自身も自分の活動を数値化しています。会社のなかで僕の役割は大きく3つあります。プレイヤーとして「モノをつくる」、社長として「会社のマネジメントをする」「会社全体のビジョンをつくる」。この3つに対して均等に時間と頭を使うのが理想だけど、どうもうまくいかないんですね。

そこで秘書に時間配分のレポートをつくってもらっています。そのつど「どの打ち合わせがどれに入るか」「この時間を何に使ったか」を聞いてもらって、あとでレポートとして送ってもらうんです。本質的には均等配分でなくてもいいかもしれない。だけど、それが理想なんじゃないかという仮説でやっている感じです。

人間って不思議なもので、数字があると、数字を多くしたい、偏りをなくしたいっていう気持ちが出てきます。「ダイエットで何キロやせた」というのと同じで、「先週、ブレストに何回出た」という数字が見えるだけで、ある程度やる気がある人はブレストの参加回数が増えてくるんです。数字というのはそういう強制力のあるツールなんですよ。点数を多く取るとか、タイムを速くするとか、小さいころからずっとすりこまれているからかもしれませんね。だから「週に何回ブレストに出なければならない」といったノルマは一切不要。数字で「見える化」するだけで、各自が勝手に目標を立ててくれるのです。

硬直化しないようにチームを常に入れ替える

社員数が増えるとチームワーキングが難しくなるのではないかとよく言われるんですが、全然そんなことはありません。社員数10人のときに発生する問題と、100人のときに出てくる問題は実はあまり変わらない。10人のときに1つ起きる問題が100人になったから10起きているだけ。人間が織り成す人間関係みたいなものは10人でも100人でも同じなんです。だから、チームワークをよくするには小分けにしていく発想でいい。そして硬直化しないようにチームを常に入れ替えていくことです。

ただ会社の舵取りという意味では、10人の会社と100人の会社では違ってきます。10人なら10日後にこっちの方向に行こうと言っても大丈夫だったのが、100人規模になるとそうはいかない。もう少し先まで見て、たくさんシミュレーションをした上で、「では、3カ月後にこうしよう」という話になってくる。人数が増えて大変になるところはそこだと思うんですよ。

100人の会社で判断ミスをするとなかなか舵を切り直せない。舵取りがある程度未熟だと沈没してしまいますから。まあ、結局はどの会社も沈没するまで大きくしようとするんですけどね。会社とはそもそもそういうもの。特にベンチャー企業はそうじゃないでしょうか。今どれだけ成長していても、未来永劫成長し続けるということはない。どこかで必ずこける。それまで、会社はチャレンジし続けていくものだと思っています。

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(2011.12.15 同社・鎌倉駅前オフィスにて取材)

Original Page: http://www.worksight.jp/issues/person/000073.html

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