部下に長時間労働を激励する上司がダメな理由
lifehacker.jp | Nov 30th -0001
あなたの上司は「我々はもっと長い時間働かなくてはいけない!」と言うような人でしょうか? 気合の入る叱咤かもしれませんが、これは最悪のアイデアなのだそうです。本当は働き方そのものを変えるべきなのであり、それにはマネージャのモチベーションと目的意識こそが問われてきます。人々を長時間働かせることで良い成果があがることはまずありません。以下では、その理由についてもう少し詳しく見ていきましょう。
もし、あなたが部下に長時間働いてほしいと伝えるとしたら、なんと言いますか?
君たちは今一日8時間働いている。でもこれからは9時間か10時間、いや11時間は働いてほしい。我々はもっと成果を上げなければならないのだ。今までより3時間長く働いてほしい。なぜなら、30%の業績アップが必要だからだ。我々は今より30%優れた会社になるべきなのだ。
30%? 本当に? 私たちによりよくなってほしい量はたったそれだけ? 私たちがすべきことは長時間働くこと? それだけ?
よく考えてみてください。「30%の向上」という目標は実際にはうまくいきません。とはいえ、30%の超過労働がよい結果につながらないことを主張したいわけではないのです。その事実はすでに多くの人が知っています。
ここで言いたいのは、部下に長時間働いてくれるように頼むよりも、自分たちの目標は「300%の向上」だと宣言するほうがずっと有効だということです。会社の業績を今より300%アップさせたいのだと言いましょう。そして、長時間労働については一切口にしないことです。理由は明確。「300%の業績アップを目指す」と言ったとき、部下達は即座に理解します。そのゴールが300%の超過労働では達成できないということを。8時間の300%は24時間。一日24時間働くことは不可能です。
そしてさらに言うなら、一日8時間以上働かず、つまり超過労働は一切せずに、300%の業績アップを達成してほしいと部下たちに伝えましょう。斬新かつ厳格なルールを設定してください。これは、知的な人々にとっては面白く、やりがいのある挑戦になるはずです。これであなたの部下たちは、長時間働くことではなく、働き方をどう変えるかに焦点を当て始めるでしょう。300%の目標を達成するにはそれしかないからです。
一日の終わりに、部下たちの働き方や成果がめざましく変化するのを見たいですか? それなら、本当によく考えなければいけません。人が変わることよりも嫌うことは、批判されることです。これが部下に長時間働くように言うべきではない理由の1つ。そこには否定的な含みがあるからです。
なぜ長時間働くように頼むことが否定的な含みを持つのか? なぜならそれが罰のように聞こえるからです。まるで「おれたちの働きは充分じゃないんだ、だから遅くまで居残りさせられるんだ...」と感じてしまいます。ドイツでは「遅くまで居残りさせられる」ことは明らかな罰を意味するそうです。みなさんも学校で経験したことがあるかと思います。
別の視点で見ると、上司が実際に望んでいることは、部下たちが会社にとってより価値のある人材になることのはずです。つまり、彼らがより多くの価値を創造するようになること。違うでしょうか? 会社の中にはすでにこのゴールを達成している人たちもいます。他の社員より多くの報酬をもらっている人々がそうです。報酬の多さは、彼らが会社にとってより多くの価値を創造していることを意味しています(そのはずです)。
皆さんの会社にも上級職と下級職があるはずです。たいてい、上級職には下級職の2倍以上の報酬が支払われています。どうして上級職はこのように多くの報酬をもらっているのでしょうか?
例えば、次のような事実がありますか?
下級職は一日5時間働いている。
中級職は一日7時間働いている。
上級職は一日10時間働いている。
違いますよね。
では実際には何が起きているのか? なぜ上級職には多くの報酬が支払われているのか? 答えは、彼らが長時間働くからではなく、より価値のある働きをしているからです。もうおわかりだと思います。会社にとって大切なのは、より多くの価値を創造することであるのに、長時間働くことにフォーカスするのはバカげたことなのです。
結論、部下に長時間働くように頼まないこと。そのかわり、人々がよりよく働ける環境を作ることに知恵を絞ってください。生産性を高める環境づくりに努力しましょう。もちろん、これは部下たちに長時間労働を頼むことよりも困難なことです。しかし、本当の成果を望むなら、チャレンジすべきでしょう。
Original Page: http://www.lifehacker.jp/2012/04/120409-work-longer.html
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