「リスティング広告はもう使えないですよ」って言われた真相
catch-the-web.com | Nov 30th -0001最終目的を忘れてませんか?

PPC(リスティング広告)担当:真井
どうもこんにちは真井です。
「リスティング広告はもう使えないですね。」
これは、僕のクライアントが、
HPを運営してもらっている業者に言われた言葉です。
「なんて言われたか詳しく教えてもらえます?」
とクライアントに詳しく話を聞くと、
「リスティング広告は検索ユーザーに、
もう広告だってバレているから効果がない」
と言われたとの事。
僕はこの話を聞いた時に、
すごいとてつもない違和感を感じました。
あなたはこの話を聞いてどう感じますか?
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リスティング広告が使えない理由
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確かに数年前に比べれば、
検索結果の広告枠がいわゆる自然検索枠ではなく
「広告」だということは大分認知されはじめています。
でも、そうだとしても
「なんか問題あります?」
というのが僕の率直な感想。
厳密に言えば、ユーザーのリスティング広告の認知度によって
ユーザーの動きの傾向も変わってきます。
でも、それを「リスティング広告を使うか使わないか」
という判断基準として使うのは正しいのでしょうか?
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最終目的のために
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よく「戦略」と「戦術」をそれぞれ分けて
考える重要性が説かれますよね。
「戦略」とは最終的なゴールを見通した
全体的な話。
一方、「戦術」は「戦略」を考える上での
1つ1つの要素の話です。
つまり、両方大事ですが、
あくまでも親分は「戦略」。
子である「戦術」は、親分である
「戦略」のために存在します。
だから、「戦術」が「戦略」を考える上での
邪魔になってしまっては当然いけません。
この事を意識すると、
「何をやって何をやらないべきか」
という行動の指針にスゴク役立ちます。
「戦術は戦略あってこそ」っていう
面白い話をひとつ紹介しましょう。
色々な学説がありますが、
1つの有力な説として気軽に聞いてください。
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義経はなぜ頼朝を怒らせたのか
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源義経はなぜ、兄の頼朝に殺されたか知っていますか?
義経は戦術の天才でしたが、
戦略に関してはすごく疎かったと言われてます。
この事が、悲劇に繋がる原因に。
圧倒的不利と言われていた、
一の谷、屋島、壇ノ浦の三連戦で平氏に圧勝したことからも
わかるように義経は戦の天才です。
最後の壇ノ浦の戦いが終わったあとに、
きっと義経は
「イエイ!やってやったぜ。
これで兄ちゃんも褒めてくれるはず!」
と思ってたことでしょう。
ところが、兄ちゃんの頼朝は
「なにしてくれてるんじゃ。てめぇ!」
とブチ切れします。
なぜ頼朝が怒ったか?
これは頼朝が考えていた「戦略」
を知ると納得がいく話です。
それは、戦の後に義経が勝手に
役職のご褒美を朝廷から直接もらってしまったから。
これは頼朝兄ちゃんの「戦略」からすると大問題。
そもそも、頼朝がなぜ戦をしていたかというと、
武士の地位を確固としたものにするためです。
当時はまだ武士の立場が確立されてません。
平氏も確かに武士出身なんですが、
「他の武士のことなんて知らん」
って感じで、元武士なのに
貴族的な立場になっちゃいました。
(平家のイメージってドラマでも貴族っぽいですよね)
だから他の武士はそれが不満で頼朝を助けたわけです。
つまり頼朝にとっての最終目標は、
「よし、オレが武士のリーダーになって
武士の地位を確立してやろう。がっはっは。」
ってことです。
そのためには、権力を欲しいままにしていた平氏を倒し、
朝廷に恩を売り、朝廷に口出しをさせない幕府を作る必要がある。
これが、頼朝にとっての「戦略」。
つまり、頼朝にとって義経は
「戦略」を実行するための手段の1つである、
戦に勝つための「戦術」の1つだったわけです。
しかし、その「戦術」のコマである義経が
朝廷から勝手にご褒美である役職をもらってしまい
すべての「戦略」をブチ壊すようなことをしてしまいました。
連戦連勝で武士の間でカリスマになっていた
義経が勝手に朝廷からご褒美をもらったらどうなるか?
他の武士も、「オレもオレも」といって
勝手に朝廷から褒美をもらうようになるでしょう。
なんせ実の弟が朝廷から褒美を貰っているのに、
他の武士に「朝廷から褒美を勝手にもらうな」なんていえません。
こうなってくると、頼朝の立場はありません。
なので、頼朝の「戦略」では、武士に褒美(爵位)を与えるのは、
あくまでもリーダーである自分経由でなければならない。
だから頼朝は義経にブチ切れ。
義経は「戦術」のプロではあったけれども、
「戦略」に関してはまったく何も考えていなかった
(というより知らなかったのかも知れない)ということです。
兄が最終的に何を目標としていたか、
自分はなんの為に戦っていたか、
これを理解していれば、実の兄に殺されるという
悲劇は起きなかったのかもしれません。
(諸説の一つです)
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「戦術」は「戦略」のため
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と、話は脱線しましたが「戦略」と「戦術」のことがよくわかる
面白い話だったので紹介しました。
さて、話を現代に戻すと、大事なのは、
「最終的な目的は何か?」
ということを忘れてしまっては
いけないということではないでしょうか。
「売上を上げること」を最終目的として考えれば
リスティング広告は「戦術」の一つにしか過ぎません。
こう考えると、
「リスティング広告が広告だとバレているかどうか」
っていうのは「戦略」を考えた場合には、
判断基準にしないほうが良いことがわかります。
売上が上がる可能性があるのに、まったく関係ない理由で
リスティング広告を使うのを避けるのは「戦術の単独暴走」
とも言えます。
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「戦術」は「戦略」のため
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また、こう考えると
・広告品質やクリック率にこだわり過ぎることに意味があるのか?
もっと優先的にやった方がいいことがあるんじゃないか?
・クリック率を上げることには成功したけど、顧客獲得単価が
逆に上がりすぎてしまったな。これは改善しよう。
・広告費はかかっているけど、
利益にはつながっているから停止する必要はないな
・このルーティンの時間を外注化すれば外注費かかるけど、
その分、◯◯に時間が割けるから結局はプラスになるな
といった作業の優先順位や意思決定というのも
明確になりやすくなります。
あなたの「戦略」にとっては
何を選択することが最適か?
「戦略」のために最適な「戦術」を
意識してみてください。
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■編集後記
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他の人のメルマガでも歴史ネタは
好評だったらしいんで便乗しました。
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PPC(リスティング広告)担当:真井 プロフィール
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Original Page: http://www.catch-the-web.com/blog/ppc/post_220.html
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