聞くに聞けない「フリーランスになるための素朴な疑問」
lifehacker.jp
ノマドという言葉が一般的になったに伴って、フリーランスを目指す人が増えてきた気がします。もはや組織に属していれば将来が保障されるという時代ではありませんから、当然といえば当然の傾向かもしれません。
しかし思い込みに左右されすぎ、「フリーランスは自由で気楽で可能性に満ちている」というようなイメージを持っている人が少なくないような気がしてならないのも事実。しかし、私もフリーランス生活が長いので断言できますが、そんなに甘っちょろいものではありません。
簡単にいえばフリーランスになるということは「自分が会社になる」ということですから、仕事だけできればいいというものではない。会社員時代には会社が肩代わりしてくれていた税金、保険、年金などの問題もすべて自分で処理しなければならないのです。
だからこそ、フリーランスになることを多少なりとも意識している人にはぜひ、『フリーランスの教科書』(見田村元宣+内海正人著 星海社新書)を読んで勉強していただきたいと思います。現役の税理士と社会保険労務士が、フリーランスになるために必要なことを説明した書籍。簡潔でわかりやすいので、漠然としていた不安も解消できるはずです。
ちなみに本書のなかで、本文に匹敵するほどおもしろいのが「フリーランスのよくある質問」というコラム。今回はそこからいくつかをピックアップしてみましょう。
■ 会社員とフリーランスは「掛け持ち」できる?(54ページより)
フリーランスを続けながら、特定の企業と契約を結び、月給をもらって仕事する。それが可能かどうかは気になることだと思いますが、結論からいえば「副業OKの契約であれば可能」だとのこと。つまりその会社次第だというわけですが、就業規則に「副業禁止」が明記されている場合は契約違反と見なされ、最悪の場合は解雇になってしまうことも(私も昔、このことでトラブルに巻き込まれた経験があります)。
■ 確定申告の時期なのに支払い調書が送られて来ない(120ページより)
フリーランスにとって、確定申告の時期にクライアントから送られてくる「支払い調書」はとても重要。報酬の受取額や源泉徴収税額を証明する書類なので、還付金を得るためには欠かすことができないもの...だと私も思っていたのですが、「支払い調書は税務署への提出は義務づけられているが、支払先に対しての交付は義務づけられていない」のだとか。ただし当然のことながら、あるに越したことはないそうです。
■ 労働基準監督署に駆け込むとどうなる?(158ページより)
労働基準監督署は、劣悪な労働や職場環境などの改善のために動いてくれる存在。ただし対象はあくまで労働者(サラリーマン)です。個人事業主(フリーランス)は業務委託契約であって雇用契約ではありませんから、いくら条件が悪くても感知してもらうことはできません。「フリーランス=自己責任」ということですね。ただし何カ月も毎日出社を要求され、出勤簿やタイムカードで管理されている場合は話が別だとか。限りなく社員に近い働かされ方をしていれば、労働者ではないかと判断されるからだそうです。
これらを読んだだけでも、フリーランスに対するイメージは少なからず変化したのでは。他にも「気になるけれど、聞くに聞けないこと」の答えが多数収録されています。
本書を手に取った方は、どんな感想をもったでしょうか。Facebookページでも下記のコメント欄でも、ぜひ教えてください。
(印南敦史)
Original Page: http://www.lifehacker.jp/2012/12/121225book-to-read.html
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