2012年8月27日月曜日

ブロガー、個人メディアの役割とは

ブロガー、個人メディアの役割とは

ikedahayato.com | Nov 30th -0001

とあるオンラインメディアの記者の方とランチ。とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。

個人メディアの役割とは?

日本のテックシーンを担う重要な記者である彼は、「それはやっぱり、うちのメディアの役割だから」「ブロガーや個人メディアとは役割が違うよね」と、「役割」という言葉で、自分たちのメディアの意義を表現していました。

僕は「個人ブログの役割」というものについて、それほど深く考えたことがありませんでした。いい機会なのでまとめてみます。

「個人の意見」を表明する

「報道」を重要視する集合的なメディア(例えば朝日新聞、ITメディア、CNETなど)では、個人の意見を表明することは、基本的にはばかられます。事実を端的に述べ、記者の意見は全く表現しないか、取材先の言葉の引用などで「間接的に」表現することが一般的です。

一方で、個人がやっているメディアは、大手メディアでは表現しにくい「個人の意見」を全面に出すことができます。

あくまで「一個人の意見」の敷居を出ることはできないため、集合的なメディアに比べて権威性は落ちますが、それでも「個人の意見」は時に人の心を動かす強い力を持ち得ます。

僕たち、個人メディアは、客観性をあえて排除して、特定の問題に深くコミットしたり、誰かを「肩入れして」応援することができます。その自由を選択するかは書き手次第ですが、僕は意識的に「個人の意見」を表明していこうと考えています。なんとなく、それが役割だと感じています。

「大手メディアにはまだ早いネタ」を発掘する

僕も講談社などで連載を書いているので如実に感じるのですが、ある程度権威性のあるメディアでは、紹介できるネタは限られてしまいます。

多くの場合、何かを紹介する際の基準が、編集方針として明確に決まっているわけではないですが、ライターの直感として「これは有望だけど、今の時点だと紹介に耐えないな」というものは、やはり大手メディアでは載せにくいのが現実です。

個人メディアのよいところは、こうした「まだ目立った実績・経歴はないけれど、これから光るかもしれない」取り組み・人物を、まったく気にせず紹介することができる点にもあります。

例えば先日紹介した「log」も、まだα版であるため、講談社などでは紹介するには「早い」ネタです。「1億人を月に送りたい」と語る石亀さんの紹介記事も、その一つでしょう。個人メディアはこうしたネタを発掘し、光を当てる、採掘者のような役割も担うことができます。

実験する

集合的に運営されているメディアでは、どうしても意思決定が慎重になりがちです。マネタイズやコンテンツに関する実験的な取り組みが、遅々として進まない傾向をしばしば見かけます。

実験が容易な個人メディアは、メディア運営を実践する上でも、先進的な存在になり得ます。

現に、コミュニティ運営型のマネタイズ(Synapseのような有料オンラインサロン)は、個人メディアから広がり始めています。いずれ大手メディアにとっても、「コミュニティによるマネタイズ」は収益化の選択肢の一つとなっていくでしょう。

縛られない僕らは、創作上の実験、運営上の実験を思う存分行うことができます。メディアの在り方について、創作スタイルについて、思うがままに模索しつづけることができるのは、個人メディア運営の楽しさの一つです。

念のため書いておけば、上記はあくまで「役割」について論じただけなので、集合的なメディアを否定しているわけではありません。権威性や影響力、コンテンツ量に関しては、個人メディアは歯も立たないレベルです。

僕は当面、個人メディアという新しい境地で色々な実験をしていきたいと考えています。ここはとても面白い空間です。やってみた感じ、家族一つ食べていくくらいなら、なんとか収穫も得られるようです。月例レポートなど、同じ「プロブロガー道」を歩みたい人向けの情報・ノウハウも、積極的に共有していこうと思います。

「プロブロガー」として活躍する先人のお二人が書いたノウハウ本。おすすめです。

Original Page: http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/13917

Shared from Pocket



Sent from my iPad