2012年10月20日土曜日

フットサル日本代表メンバー発表 ミゲル監督 会見コメント

フットサル日本代表メンバー発表 ミゲル監督 会見コメント

rd.yahoo.co.jp | Nov 30th -0001

 日本サッカー協会は11日、国際親善試合のフットサル・ブラジル代表戦(24日、代々木)とフットサル・ウクライナ代表(27日、旭川)と対戦するフットサル日本代表メンバー、16名を発表した。9月に行われた愛知合宿、静岡合宿と同じ16選手が選出されている。メンバー発表後、記者会見を行ったミゲル・ロドリゴ監督は「GKは、この3人をW杯に連れて行きます」「最終メンバーの14名も、基本的にはこの16名から選ぶ」と、本大会のメンバー選考についても語った。

 以下、ミゲル・ロドリゴ監督の会見コメント

―9月中の2度の合宿の手応えは?
「アジア選手権前のときと似た状況で、想定したとおりです。長い本格的な準備に入るまではクラブでの活動、代表での活動が混ざってしまう時間があります。活動の内容自体では確認ができたことに満足はできていますが、100%集中した状態かというと、そうではありません。今の段階で代表チームの仕上がりは、評価できないと考えています。代表チームのファミリーに新しい2人の選手が入ったことが、大きなトピックになっています。2人とも優秀で、それぞれ個性、力があるだけでなく、自分たちからグループに溶け込もうとする意識、意思があります。また、彼らを受け入れる前からいた選手たちの意思が、うまくかみ合っている感じがします。戦術的には少ない時間しか割いていませんし、十分にシンクロナイズされた状態ではありませんが、これから時間をかけていけば、克服できます。そういうグループの和ができたことが大きな収穫だったと思います」

―新たに2人が入った効果は?
「まず三浦知良選手についてですが、彼はグループに対する特別なエネルギー、モチベーションをもたらしてくれます。彼は、これまでサッカー選手として、日本フットボール界で達成してきたものを背負って新しいグループに来ています。その特別な部分を大いに生かした、心理的な部分、モチベーション的な部分で、チームを引っ張って行ってほしいと期待しています。技術的、戦術的な部分では、やはりシュートです。まだ1対1から相手を引き剥がしてシュートに持っていくまでの感覚を磨くには時間が足りていません。それでも、ゴールに近いところでの駆け引き、一瞬の隙を突いてシュートを打つとか、その精度、強度に関しては大いに期待できるところだと思っています。また、森岡薫選手についてですが、日本代表には前線からプレスをかけていくスタイルがあります。そのプレッシングを実戦する上でフィジカル面で強い選手がいることが重要です。これまでは足りないところでした。(相手に)プレスをかけられたとき、GKから長いボールを受けて、それを受け止めて前で頑張れる。そういう強さを持った選手が求められています。あるいはセットプレーで素早くシュートに持って行く。強烈なシュートを持っているというようなものが、今までの強化すべき課題でした。それらにおいて、Fリーグでも得点王になってきた力というのは、大いに期待できるのではないかなと思います」

―このメンバーから2人外れるが、どこで判断する?
「コンディション的に良い選手、もっとも戦える状態の選手が入ることは、常に変わりません。その上で今のグループの中にはあるポジション、特性を考えたときに、厚みのあるポジションとそうでないポジションがあると思います。そこを考慮すると、厚みがあるところをバランス良くする。それだけではなく、考えるべきは、特別な、これまでになかった要素です。何をチームに与えられるか、チームに何が必要と考えるべきか。それが選考のキーポイントになると思います。アジア選手権では、そこまで必要ではなかったメンタル面がW杯では重要になる。トータルで考えながら、選考していきたいと思います。一つ付け加えたいのは、アジア選手権のときの日本代表のスタンスです。私の知る限り、過去にないオフェンシブな、アグレッシブなチームが優勝した姿を見せられたと思います。上澤(貴憲)選手が出られない状態になってから、DFな役割を担っていた選手は、極端に言えば小宮山(友祐)だけでした。それ以外は、みんな攻撃的に、積極的に前に飛び出す選手たちです。そういった選手たちで、チームとしても2ゴール差で大会最多得点を挙げて、結果として優勝しました。アグレッシブな挑戦心が光った大会だったと思いますが、W杯でも私たちの挑戦のポイントは、そこにあると思っています。アジア選手権と同じようにアグレッシブに攻撃的なスタイルを持つ。力のある相手に対しても、それに応じて守りを固める発想ではなく、積極的な攻撃的なスタイルを取れたらと思います」

―初戦は北原亘選手が出場停止になるが、どうバランスを取る?
「これまでも北原選手がいない状態というのは、戦術的に厳しくなると思っていました。戦術的な理解力、対応力の高い優秀な選手として、彼は中心選手と捉えています。ですから、大きなダメージであることは間違いありません。ただし、アジア選手権の決勝でも非常に大事なタイミングでレッドカードを受けて退場しました。それ以外にも星翔太選手が早い段階で、ケガで離脱していたり、上澤選手が止むを得ず離脱したり、いろいろな危機的状況をこれまでも味わってきました。それでも倍のパワーにして乗り越えてきたのが、このチームだと思います。今回もそのこと自体に対しては、そのメンタリティの発揮しどころだと思いますし、それができるチームだと思います」

―あと半月でW杯だが、他国の分析は?
「ポルトガルに注目しています。先週、国際親善試合をウズベキスタンと戦い、名古屋オーシャンズのリカルジーニョ選手抜きで、5−2、3−1で勝利しています。とはいえ、これまでの試合結果とゲームを見ていても、ポルトガルが優勢であっても、チャンスがあるゲームだと捉えています。日本代表が良い状態で臨むことができれば、どちらが勝ってもおかしくない。ただ、グループステージ突破を考えると、リビアとどんなゲームができるかが、ひとつのカギになると確信しています。ブラジルというのは、スペインと並び、ほぼ(勝つことが)不可能。おおよそ、そこを壁として乗り越えるんだというテーマにするべき相手ではありません。世界にそういう国が2つあるとすれば、ブラジルとスペインだと思っています。ですから、そこではなく、ポルトガルとの直接対決、そしてリビア戦。それぞれの国が共通して、リビアとの戦いをポイントにしてくるのではないかと分析しています。
 もっとも、これは冷静な、客観的に見た分析です。私は、すごく楽観的に、前向きに夢を見るタイプですので、当然、ブラジルに対しても勝つことを期待しないわけではありません。世間的にも、インターネットや海外での報道を見ても、戦う前に、このグループに入った時点で日本代表が敗退したという見方をしている辛辣な表現を見かけることがあります。しかし、それは実態よりも、だいぶ日本の力を見くびっているというか、過少評価していると思います。実際にはそういう機運こそ、私たちが突け入るチャンス、武器にすべきシチュエーションじゃないかなと思います。今、話をした実際の分析とギャップに力を加えて、目標を達成したいと思います。ここまでの流れでは、なでしこジャパン、ロンドン五輪を戦ったU-23日本代表も、そういうメンタリティを持って、世間的にはサプライズと思われる成績を残してきたと思います。それにフットサル代表も続いて、さらにザッケローニ監督が率いるサッカーのA代表も同じようなメンタリティと好成績を残せる一連のジャパンパワーを見せる流れに乗りたい」

―次の長期合宿と親善試合で確認したいこと、強化したいことは?
「本大会に向けたフィジカルコンディション。これを最終的にブラッシュアップし、長い大会を戦えるような準備をすることが、主なテーマになります。また、試合に関しては最初のブラジル代表戦では、ブラジルに対する恐れ、恐怖心を取り除くことですね。今も、ほぼ取り去ることはできていると思いますが、これを完全に克服すること。これが一つのテーマです。プラス、強大な壁ですが、どこかに突け入る隙を見つけること。今までも研究はしてきていますが、突け入る隙をもう一回探ってみたい。もう一つは新しい選手たちが、どんな入り方ができるかを合宿で確認し、試合の中で把握して、確信に変えていくこともテーマになると思います。
 もう一つのウクライナ代表戦ですが、ウクライナ代表は、ポルトガルや強豪国と同じようにカウンターアタックを武器にしたチームです。『ポルトガル対策』とまではいかないかもしれませんが、高いレベルのカウンターアタックを体感しておくことを主なポイントとして臨みたい。そういう計画を持ってきました。一部、ウェブやフェイスブックで見ていたときに、チケットが完売したと理解していたのですが、まだ少し残っていると聞きました。ですから、この機会にあえて申し上げたい。スピーディーでスペクタクルなゲームを取り組みとしてやっていますし、相手も世界最高峰のブラジルというチームです。また、旭川では欧州トップレベルのウクライナと対戦ができます。フットサルファンだけでなく、サッカーに携わったり、サッカーに興味のある方を含めて、相当の数の方に来ていただけると想像できますが、その祭典を、より多くの方に楽しんでいただきたいと思います。ですから残りわずかとなっているチケットを手に、会場に足を運んでもらえたらと思います」

―合宿では、この16名から14名に削る?
「基本的にはそうです。2人外れる選手を選ぶことに事実上なります。極めて特別な状況が生まれれば、変化するかもしれませんが、実際にこの合宿の練習の期間中に、メンタル面でもフィジカル面でも、何かの原因で、どうしても期待しているほど調子が上がってこないなということがあれば、状況は変わると思います。その場合は、また別の選手を新たに呼ぶことが、あり得ない話ではありません。ただ、今は頭の中では、ここから14人を選ぶという考え方でいます」

―2人を外す作業は、2人を加えたことで難しくなった?
「明らかに難しいです。今までは『うちにもっとこういう要素があれば』というものを考えて、積極的に2人を加えました。チームに足りないものを埋めてくれるという期待感を持てたので、難しくはありませんでした。しかし、今度はあるものを失くすことになりますから、難しい作業になります。
 監督としては、本当に難しい作業になっていることが夢のような状況だと思うんです。それだけ高いレベルの選手がひしめき合って、どうにも選べない状況で、悲鳴を上げながらも喜んで選ぶのが、監督として夢のような作業になります。しかし、日本の現状ですと、今はある程度の大きなグループで活動していますが、無尽蔵な難しさを抱えている状況ではありません。その中でも難しい作業であることは間違いありませんが、他の国の代表監督、サッカーの世界に比べると、そこまで大変ではないかもしれません」

―FIFAに登録するのはいつ?
「19日です。それがオフィシャルなデッドラインです。そこから先はケガ人などが出た場合、初戦の26時間前まで変更が認められます。それはFIFAから発表されているルールです」

―GKは2人、3人?
「GKは3人連れて行きます。今回のメンバーに3人しかいないので、この3人は連れて行こうと思っています。リストに14人、そのなかに3人のGKを入れないと、リスクが大き過ぎます。ですから、外れるのはFP2名になります」

―合宿中に発表すると思いますが、その後の外れた2人の扱いは?
「発表に関しては当然19日の最終日になります。具体的な発表のタイミングは確認を取れていませんが、最終リストの発表は、間違いなく合宿中に行われます。外れる2人に関しては、話をしながら最後までキャンプに参加してほしい。グループでここまでやってきたということもあります。また、2人を外して家やクラブに戻し、一時的に代表チームを離れさせて、その後にケガが起きたタイミングでまた合流してもらうより、基本的には国内で一緒にやってほしいと思っています。その間に親善試合もありますし、何が起こるか分かりませんので。その2人にとって、メンタル的に難しい状況が生まれることは理解できます。(14人に入った選手が)ケガをすることを望むことはないでしょうが、何かあったら自分も行くという、そういう可能性がある状態は、モチベーションにもなるはずです。もちろん、違う発想で、最終メンバーだけで残りの日程をこなす監督もいらっしゃるでしょうが、自分は今のような発想をするタイプです」

―3戦目で戦うリビアの印象は?
「トルコ、スペインにツアーを組んで強化をしていると聞いています。また、2年半くらい優秀なスペイン人監督が指導しています。スタイル的にも、モダンなスペインの若い世代の監督が志向するフットサルなので、比較的に日本に似ていると思います。これまでもウクライナと対戦して勝っていたりしますので、簡単な試合にならないでしょう。簡単な試合は一つもありません。私たちはアジアチャンピオンとして臨みますが、彼らもアフリカチャンピオンとして臨むわけですからね。ただ、ゲームの情報や状況を見て、私の知る限りでは、わずかに日本の方が上回れるのかなという感触はあります。ただ、勝負事ですので、互角と考えて間違いないでしょう。このゲームに関しては、他のチーム(ブラジル、ポルトガル)との対戦と比べて、リラックスして入れるゲーム、全力で最大限を尽くせるゲームだと思います。それでも、これまで日本が対戦してきたソロモン諸島といった国とは、違った次元の話です。非常に日本と近い、近似しているレベルとスタイルを持っていると認識しています」

―そこでポイントとなるのは?
「活力ですかね。基本的にはブラジル、ポルトガルと試合をした後、最後に戦うわけです。それぞれのエネルギー、活力のぶつかりあいになります。どこまで決勝トーナメント進出のチャンスに、しがみつくか。そこに懸ける思いがあるかというところだと思います。実際には3戦目になるので、1試合目、2試合目の結果と点差が非常に大きな問題になると思います。どちらかが、最初の2試合を大差で負けていれば、最後のゲームではモチベーションが上がらない可能性もあります。そのときにならないと、どういう状態で臨めるかはわかりませんが、それまでの経緯が、リビアとの直接対決という目線より大事かなと思います。
 実際には、何が起こるか分かりませんが、例えばブラジルとポルトガルに1点差で負けて3戦目を迎えるのと、両試合とも大敗して迎えるのでは、メンタル面で違いが出てくるでしょう。また、勝たなければ可能性がないという状況になっているかもしれません。逆にリビアが1−8とか、1−7で負けていれば、3戦目のモチベーションはガタガタです。そのときに自分たちはどういうメンタリティで臨めるか。そこは勝負事の流れですので、想像してもキリがありません。大事なのは、最初の2試合をどういう風に経験してくるか、ということだと思います。トレーニングの中で、戦術、技術を集中してやっていくと思いますが、本番ではかなりメンタル面を意識して、戦わないといけないでしょう。そういう勝負勘に頼るゲームになると思います」

―カズ選手の心理面に期待するとのことですが、ケガをしてもベンチに入れる?
「このリストに入っている1選手として扱おうと考えています。ケガが起きたときも、その程度によっては変わります。短い期間で回復するのであれば、(選出するという)判断には影響しないでしょう。しかし、本大会で(試合に)出られない選手となれば、話は変わります。ケガ人がベンチに座っていても、戦力にはなりませんからね。カズ選手本人にも話しましたが『これまでの実績、経験、築いてきた地位を含めてリスペクトはしますが、今回フットサルという私の分野の選手のリストに入った以上は、他の選手と同じように扱いますよ』と話してきましたが、そこは全く変わりありません」

(取材・文 河合拓)

Original Page: http://rd.yahoo.co.jp/rss/l/headlines/socc/gekisaka/*http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121011-01108170-gekisaka-socc

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