2012年3月19日月曜日

オーディエンスターゲティングが拡げる新たな市場

オーディエンスターゲティングが拡げる新たな市場

japan.internet.com | Nov 30th -0001
前回のコラムではオーディエンスターゲティングへの期待値を述べさせてもらいましたが、2014年には米国のディスプレイ広告売上全体の20%(※eMarketer 2010)がオーディエンスデータを用いた配信で占めると言われています。そして日本でもいよいよ市場へのプレイヤーが出揃い、市場が構築されそうな状況です。

先行している米国では広告主や広告代理店の様々なニーズに応えられるよう、ユーザーのターゲティングの仕組み、元データの規模が成熟しています。そのため大小さまざまなセグメントが可能なため、ブランディング、パフォーマンス双方の目的に対しても対応できています。実際に米国 AOL ではオーディエンスターゲティングの最大の売上は自動車広告から来ており、そのニーズへのきめ細かいターゲティングには驚くべきものがあります。そのオーディエンスターゲティングとはどんなものなのでしょうか。

1. オーディエンスターゲティングとはなにか?

オーディエンスターゲティングとはなにか。実際に情報を集めようと思い検索などをしてみるも日本ではきちんとした解説が少ないことに気付かされました。ここは僭越ながら「オーディエンスターゲティングとはなにか」について一度定義をしてしまおうと思います。

『オーディエンスターゲティングとはインターネット上の行動データ(「オンラインユーザーデータ(以下データ)」)を元にした、個人を特定しない「人(オーディエンス)」に対する広告配信の手法』

「オーディエンスターゲティング」とは、配信「手法」であり、当然その手法を広告として実現するためには、配信する「場」が必要となる。その「場」がアドネットワークであり、アドエクスチェンジといえます。

具体的にはインターネット上の行動を元にターゲットとして想定された「人」をオーディエンスターゲティングにより配信対象の固まりとして作り、その「人」が「場」の広告枠に接触した際に広告を配信するということになる仕組みです。

米国では古くから存在していた「行動ターゲティング」をベースに、2007年頃からデータソースを複雑に絡めたターゲティング手法としてオーディエンスターゲティングが注目され始め、市場の規模を徐々に拡大してきているといえます。

日本でも2010年頃から注目され始めていましたが、昨年から幾つかの事業者がサービスを開始。今年はデータの質やターゲティング技術、配信先の質や量など、幾つかの基準からパートナーを選定できるようになっていくと想定されています。

そのような状況において、媒体社や広告主、広告代理店の皆さんは何を基準にパートナーを選ぶべきなのでしょうか。幾つかの観点から整理してみたいと思います。

2. 何をもってオーディエンスターゲティングを評価すべきか?

そもそもオーディエンスターゲティングとは、ユーザーデータの分析結果を踏まえて配信単位を作るという考え方です。データに基づき「人」を分類しターゲットを作るまでがひとつの目的であり、オーディエンスターゲティングを広告手法として評価する際も、「求めるターゲットに広告をきちんと届けられたこと」までを評価基準とすべきです。

とはいえ、日本では広告を届けるだけで評価を得るということが、この分野ではまだ難しい状況でもあり、この点に少しでも答えを見いだせる別の指標が必要ということは私も重々理解しています。そこでまずオーディエンスターゲティングを、他の配信手法と比較し指標を作っている例を挙げつつ評価を考えてみたいと思います。

そこで下記の図にある通り、一例として「ディスプレイ広告配信後のブランドワードによる検索数のリフトアップ」を挙げてみました。


この検証ではオーディエンスターゲティング配信によるブランドワード検索数の向上はリターゲティング配信の半分程度ということになっています。ここで提示されたリターゲティング配信の半分程度の効果というのが、今後オーディエンスターゲティング配信のひとつの指標になるといえそうです。

リターゲティング配信は文字通り、広告主サイトを来訪したユーザーに対し、広告表示を行うことであるが、ニーズが顕在化しているユーザーへの広告配信であるので効果が高いのは当然といえます。一方でオーディエンスターゲティング配信は成果が顕在化しそうなターゲットに気付きを与えつつ、顕在化させる役割として考えられ、その中では最も効果的な手法といえるのではないでしょうか。

次回では、オーディエンスターゲティングを成功させるために必要なことを整理していきたいと思います。

記事提供:アドバタイジングドットコム・ジャパン 事業開発部部長 竹谷直彦

Original Page: http://japan.internet.com/wmnews/20120309/1.html

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